マタニティ歯科
マタニティ歯科の目的は、妊婦さんのお口の中の環境を整えて、ご自身と赤ちゃんの健康を守ることです。妊娠中に歯周病にかかっていると、低体重児や早産のリスクが高まるとの報告があります。これは、歯周病の炎症によって分泌されたサイトカインが血液中に入り込み、子宮収縮や陣痛を促すためと考えられています。
また、生まれたばかりの赤ちゃんは虫歯菌を持っていませんが、家族から虫歯菌がうつることで虫歯ができる状態になります。そのため、お母さまをはじめとしたご家族のお口の健康を守ることが赤ちゃんの健康に繋がるのです。
妊娠によるお口の健康状態の変化
妊娠によってホルモンバランスが崩れると、口内環境が変化して次の問題が起こります。
- 唾液が酸性に傾きやすくなり虫歯のリスクが上がる
- 食べつわりで間食が増えて口の中が汚い時間が長くなる
- つわりで歯磨きに対して消極的になる
- 歯周病のリスクが上がる
このように、妊娠中は虫歯や歯周病のリスクが高いため、定期的に歯科検診を受けていただくことが大切です。
歯科検診のタイミングについて
妊娠中の歯科検診を受けるタイミングは、安定期と妊娠後期がおすすめです。安定期（16～27週）での歯科検診で虫歯や歯周病が見つかった場合は、治療中の体調が不安定になりにくいため、しっかりと治療できるでしょう。
一方、後期（28～36週）で虫歯や歯周病が見つかった場合は、産後も治療を行うことになるため、出産前の最終チェックや産後の体力低下、生活リズムの変化まで想定した処置などを行います。
妊娠中の歯科治療に対する不安
歯科医院でのレントゲン撮影や局所麻酔、抗生剤の使用が赤ちゃんに悪影響を及ぼさないか不安に感じる方は少なくありません。また、ホルモンバランスの関係で心身の状態が安定せず、思うように歯科治療を受けられない方もいらっしゃいます。
いとう歯科クリニックでは、妊娠中の患者さまのお気持ちやお悩みに寄り添い、事前の十分な説明を徹底しておりますので、どのような小さな悩みでもお気軽にご相談ください。
妊娠中の患者さまが不安に感じやすい検査や薬などについてご説明いたします。
レントゲン撮影
レントゲン撮影では、X線による被ばくが懸念されますが、照射位置をお腹から離したうえで防護カバーをしていただきますので、大きな心配はございません。また、当院で使用するデジタルエックス線写真撮影装置は被ばく量が少なく、赤ちゃんに影響が及ぶ心配がないといわれています。
抗生物質
必ず、妊娠中でも服用できるタイプの抗生剤を使用しますので、どうぞご安心ください。
麻酔
歯科治療で使用する局所麻酔は、注射したところにだけ作用します。そのため、赤ちゃんに影響が及ぶ心配はございません。
これらの他にも、さまざまな不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。どのような小さな不安にも、歯科医師として的確な回答をいたしますので、どうぞお気軽にご質問ください。
